日本語には「づらい」と「ずらい」という表現があり、どちらを使うべきか迷うことがあります。
「生きづらい」と「生きずらい」、「わかりづらい」と「わかりずらい」、「行きづらい」と「行きずらい」などが良く使う事例です。
ぱっと見、どちらを使うべきか?と思っちゃいますよね。
この記事では、以下の二つのポイントから正しい使い方についてご紹介しています。
1・「づらい」と「ずらい」の正しい使い方
2・これらの表現の違い
これらのポイントについて、ちょっと目を通してみて下さい。
「行きづらい」と「行きずらい」はどっちが正しいの?
結論から言うと、「~づらい」の方が正しい表現です。
例えば、「行きづらい」という言葉を考えてみましょう。
これは「行く」と「つらい(辛い)」が組み合わさったもので、「行くことが困難な」状況を指します。
行くことが辛い(つらい)=行きづらい
この場合、「ずらい」という表現は字面からしても合っていませんよね。
「つらい」を「ずらい」と言い換えることは一般的ではありません。
「づらい」と「ずらい」の違い
「やりずらい」か「やりづらい」か迷った場合、単語を分解して考えるのが一つの方法です。
「やりづらい」は「やる」と「つらい(辛い)」の合成で、この場合は「づらい」と表現するのが正しいです。
ちなみに、「つらい」と「からい」はどちらも「辛い」という漢字で表されます。
同じ漢字が異なる読み方を持つ例です。
「づらい」と「ずらい」の使い分け
とはいえ、「づらい」と「ずらい」は音感が似ているため、耳で聞いたり話したりする分には変わりはありません。
日本語では「づ」と「ず」の音が区別されないことがよくあります。
例えば、「これ読みづらいな?」と「これ読みずらいな?」の発音の違いを明確にするのは難しいです。
音感的には「づ」と「ず」のどちらを使っても間違いではありませんが、文法的には「〇〇+辛い」のパターンの際には「づらい」を用いることが多いです。
書く時だけ注意をすれば良い問題です。
「ずらい」をデジタル機器で入力すると?
パソコンで「ずらい」と入力すると、自動的に「づらい」に変わることが多いです。
間違えて「ずらい」と入力することはあまりありません。
しかし、スマートフォンや携帯では自動変換が機能しないことがあり、「づらい」に変わらないことがあります。
そのため、ソーシャルメディアでは「ずらい」という表記を見かけることが増えます。
多くの人は「づらい」よりも「ずらい」の方が、なぜか自然に感じるようです。
「ずらい」と「づらい」どちらを使うべきか?
「ずらい」と「づらい」で迷う場合、基本的には「づらい」を選ぶのが正解です。
「ずらい」を使っても間違いではありませんが、一般的には「づらい」が多く使われています。
ただし、XなどのSNSで検索すると「行きずらい」と書いている人も大勢見かけますよね。
そこにいちいち訂正する人はいませんから、「行きずらい」が正しいと思って使っている人はそのまま使い続けることでしょう。
そして、SNSで「ずらい」の使用が増えると、将来的には「ずらい」を使ってもいいよね?というムードが出来あがる可能性もあるかもしれません。
ただし、仕事など正式な文書では「~づらい」の方が正しいということは覚えておいた方が良いです。
「行きにくい」と「行きづらい」の違いについても
行きづらいと似た言葉で「行きにくい」という言葉もあります。
この二つの言葉に違いがあるのでしょうか。
どちらも「~(動詞)することが難しい」という意味があります。
辞書を見ると、次のような違いがあります。
・「~づらい」は「動詞の連用形に付いて、その動作をすることに困難を感じる意を表わす。
・「~にくい」は「形容詞『にくい』から生じた用法で、動詞の連用形に付き、その動作に抵抗を感じるさまを表わす。または、たやすくないこと。
「行きにくい」のイメージ
目的地が遠い、道程が複雑で到着までが困難そう、という「行くことが物理的に難しい」というニュアンスを感じます。
「行きづらい」のイメージ
物理的な問題ではなく、感情的に行く気になれない、気分が乗らないというような「心理的に行くことが難しい」という意味が感じられますよね。
形容詞として考えると、次のような違いがあります。
・「~にくい」=難い
・「~づらい」=辛い
そう考えるとわかりやすくなるかもしれませんね。
とはいえ、どちらの場合も、行くことに否定的なことに変わりはありません。